モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
そこまでを思い出して、姫乃は身ぶるいした。

「…。」

確認するため、そっと首筋と胸に両手を伸ばす。
それぞれの指先が、二つの小さな傷口に触れた。

まさか、あの二人は…。

「…吸血…鬼?」
「なるほど、利口な方ですね。」
「!?」

はっとして、声のした方をみれば、ベットの隙間から
誰かの足がのぞいていた。

「っ!!」

姫乃はあわててシーツを引きずり、逃げるように
ベット下から這い出す。

「おや、僕の用意した服はお気に召しませんでしたか?」

紳士的に、しかし意地の悪い笑みを浮かべる男が、
ベットの反対側で小さく笑った。
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