小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「もう聞いたの?
情報早いね」


海がいつもの調子でケラケラ笑う。


え……

ちょっと待って……

意味わかんない……


「ルナちゃんが、職員室でたまたま先生と海のお母さんとの電話を聞いたんだよ」


ユリちゃんも、泣きそうな顔をしている。


「わおっ!
ルナちゃん、ナイスタイミング」


海はルナちゃんを人差し指で指すと、食べ終わったお弁当をスクールバックにしまい始めた。


「どういうこと? 海
ちゃんと説明して」


あたしが静かな声で言うと、今まであっけらかんとしていた海の表情が真剣になった。


「説明って……
転校は転校だよ」


お弁当をしまって顔を上げた海が、あたしを見てニッコリ笑う。


「ウチの親が話し合って決めたんだってさ」




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