光のもとでⅠ

34

「翠葉ちゃん、寂しくはない?」
 突如静さんから尋ねられた。
「寂しい、ですか?」
 静さんを見上げると、同じように静さんも私に顔を向けてくれた。
「零樹や碧とは月に数回しか会えてないだろう? こんなことは今までにはなかったことだろうし」
 そう言われてみると、家には誰かがいるのが普通だった。
 とくにお母さんは常に家にいたような気がする。
 けれども、今は不思議と寂しさは感じておらず……。
 それは携帯でこまめに連絡を取っているからなのだろうか。それとも、周りがとても賑やかだからなのか――。
 幸倉のおうちにいたときは会えない日数を数えることもあったけれど、最近はそんなことを考える余裕がなかった。
 ……あれ? もしかして、私ものすごくひどい娘かな?
「静さん……どうしましょう。私、ものすごくひどい娘かもしれません」
「え?」
「最近、考えることが多すぎて、うっかり両親のこと忘れてました」
 正直に白状すると、声を出して笑われた。
「そうかそうか。でも、それはいい傾向かもしれないね」
 と、つないでいる手に力をこめられる。
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