光のもとでⅠ
「病人ってみんなこうなのかよ……」
 俯いた唯兄が漏らした言葉。
 いったいお姉さんはどんなことをしたのかな。
 そんなことを考えていると、
「セリも性質悪かったけど、リィも相当だっ。とにかくハサミだけはよこせっ」
 ハサミ、ね……。
「でも、これを持っていたら誰も来ないでくれそう」
「……リィ、本当に怒るよっ!?」
「怒られても痛くも痒くもない。……だって、身体のほうが痛いもの」
 嘘じゃない。身体が痛い……。
 でも、嘘……。
 心だってちゃんと痛い。
「碧さんに連絡入れるから」
「……どうぞ」
 ここで嫌だなんて言えない。そしたら、何もかもが無駄になる。
 誰が来ても何を言われても対応は変えない。
 なんでだろう、どうしてこんなに痛いんだろう――。
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