光のもとでⅠ
「わがままだったこと。いっぱい傷つけたこと……」
「リィ、それじゃ抽象的すぎるよ」
「……うん、そうだよね。……会いたくないとか、仕事に行ってほしいとか、部屋から出ていってとか……たくさんごめんなさい」
 泣いたらだめ――。
 自分がいけないことをして今という状況があるのだから。
 傷ついたのは私じゃない。
 私は自分を守るために人を傷つけたのだから、痛いのは私じゃない――。
「はい、よくできました」
 気づくと唯兄が立っていて、頭にポンと手が乗る。
「ほら、あんちゃんも碧さんも。いい加減こっちに来て何か話したら?」
 そんなふうに、唯兄が部屋の入り口に立ったままのふたりに声をかけた。
 ふたりは笑うでも怒るでもなく、無表情のまま立っている。
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