光のもとでⅠ
「きゃっ……」
 やだ、ルームウェアの裾踏んだっ!?
「っ……翠っ!?」
「……ごめんなさい」
 ルームウェアの裾を踏んで躓いた私は、まんまとツカサの上に倒れこんでしまったのだ。
 起きる起きない、起こす起こさないの問題ではない。
「……いいけど、早く起きてくれる?」
「うん」
 首の後ろあたりに声が響いてドキドキする。
 早く身体を起こそうとは思うものの、どこに手をついたらいいのかわからなくて、困惑する。
 バランスを崩した私は、アームレストを枕にして寝ていたツカサの首もと、ソファの背もたれへと頭を突っ込む勢いで圧し掛かっていた。
< 2,156 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop