光のもとでⅠ
『えぇと……こと座のベガ、わし座のアルタイル、白鳥座のデネブ……?』
 っ――なんで覚えてるっ!?
「……正解。じゃ、本当に切るから」
『うん、おやすみなさい』
「おやすみ」
 通話を切ってから、まだ光が灯ったままのディスプレイを見ていた、
 しだいにそれは光の分量が抑えられ、やがては消える。
「なんで星のこと覚えている……?」
 あれは記憶を無くす前にした会話なのに……。
 不思議に思いながらも、頭の中に今の会話が反芻している。
「やばい、整理がつかないかも――」
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