光のもとでⅠ
「今は休め。それ以上身体に負荷をかけるな。それに、これは逃げないだろ」
 と、枕元にやけに分厚い封筒を置かれた。
「あと三十分もすれば相馬が夕飯持って戻ってくるだろ。せめてそれまでは休め」
「……はい。でも……疲れすぎてて食べたくないです」
 疲労がマックスまでくると、どうしても物を食べられる気がしない。
「少しでもいいから食べろ。相馬が来るまでは俺が付いてる」
「だから寝ろ」と言うかのように、スツールに腰掛けた。
 昇さんの服装は術着のまま。
 いつもの術着とは違うグリーンの術着。
 先生、私、知ってるよ?
 それが手術室用の術着って……。
 きっと、手術が終わったその足で来てくれたのだろう。
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