光のもとでⅠ
 そんなことを考えていると、
「ほら、目ぇ瞑れ」
 と、相馬先生と同じように瞼に手を翳してくれた。
 ただでさえずっと横になっている。
 けれども、相馬先生も昇さんも、顔を見るたびに休めと言う。
 確かに、痛みがくれば強制的にそれと対峙しなくてはいけなくなる。
 だからだろう……。
「眠れるときに寝ろ」とか、「少しでも身体を休ませろ」とか、「あまり難しいことは考えるな」とか……。
 身体は動かせなくても、考えなくちゃいけないことはたくさんあるのに……。
 相馬先生も蓄積されたストレスを片付けろと言ったのに、発作を起こし始めてからはまるで逆。
「とりあえず休め。何も考えずに休め」
 そればかり言われていた――。
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