光のもとでⅠ
「俺が一緒に行く。どっちにしろ、これが終わったら図書棟行かなくちゃいけないし。ほら、行くよ」
 海斗くんは私の同意を得る前に、立ち上がり歩き始めた。
「ほら、早く」
 肩越しに振り返って催促され、ミニバッグを手に急いで海斗くんのあとを追った。
 図書棟との連結部分に出ると、桜林館の中とは違う熱気に包まれていた。
「直射日光殺人的……」
 言いながら、海斗くんは私の右側を歩き影を作ってくれる。
「図書棟連結出口を使って正解」
「本当だね」
 思わず笑みが零れる。
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