光のもとでⅠ
 その数日後、また連絡があった。
 今度は翠葉に会いに行きたい、というもの。
『ご両親の了解は得た。あとは蒼樹と若槻なんだけど……』
「先輩、両親はともかくとして、俺や唯は反対なんてしません。翠葉はここしばらく薬の副作用でつらいことになっていますが、精神状態は意外といいんです。夏休みが終わる前には副作用も治まるという話だったので、行くとしたらそのあたりがいいと思います」
 数秒の沈黙――。
「先輩、前にも言いましたけど、俺と唯は先輩を信じています。それだけは忘れないでいてほしい」
『ありがとう……』
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