光のもとでⅠ
 三度聞いても翠葉の思考はそこにたどり着けなかったらしく、ただの「怖い」ものでしかなかったようだ。
 その言葉が、というよりは、司が……。
 それだけいっぱいいっぱいだったってことなんだろうけれど、これで怖がられた司は自業自得だと思う。
 だって、散々翠葉を怖がらせたのは司自身なんだから。
 司はサドだと思っていたけど、もしかして翠葉限定で違ったりするのかな?
 やってることを見ればサドにしか見えないけど、それで怖がられるという結果がついてくるならマゾ……?
「ツカサが何を考えているのか、今朝の今でなんで病院へ付き添ってくれることになっているのか、何もかもがわからなくて混乱してたら『安心しろ』って言われたの」
 なんつー説得力の欠片もない……。
 この状況で「安心しろ」って言ったって無理でしょ。無意味でしょ。
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