光のもとでⅠ
「今日は手ぶらで……しかも突然来てしまって本当にすみませんでした」
「気にせずいつでも気軽に寄ってね?」
「次は何かお茶請けを作ってきます」
「そんなこと気にしないで? あ、でも、翠葉ちゃんとなら一緒にお菓子を作るのも楽しいかもしれないわ。湊はあまりそういうことに付き合ってくれないの」
 真白さんは肩を竦めて笑って見せた。
「もっとお話してたいけれど、病院じゃ仕方ないわね」
 真白さんが連絡を入れて数分、玄関を出ると藤守さんが立っていた。
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