光のもとでⅠ
 仕事のことや湊先生の結婚式のことは、ノートパソコンのスケジュール帳にしか書いていない。だから、いつも持ち歩く手帳を見せることに問題はなかった。
「うわー……本当だ。これは落ち込むね」
「うん、ここまで病院以外の予定が何もないとね」
 十月までは、通院予定のほかに紅葉祭の打ち合わせ予定なども書かれていた。けれど、十一月に入ってからというものの、見事なまでに通院予定のみ。唯一、ツカサと藤山に行くはずだった日に『藤山』と書かれており、さらには二重線で消されている。そのほかに書いてあるものといえば、テスト日程くらいなもの。
 会話に佐野くんが混ざり、
「じゃ、ここ」
 手帳の右下を人差し指でトントンされる。
「大晦日に年越し初詣って入れといて?」
 言われて思い出す。インフルエンザ明けに誘われていた年越し初詣のことを。
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