光のもとでⅠ
 十二日、晴れて試験が終わればチャイムが鳴ると同時に皆が騒ぐ。
「終わったーっ!」
「今日だけは勉強しねぇっ!」
「おら、カラオケ行くぞっ」
「か、解放された……」
「首はつながったと信じたい……」
 思い思いの言葉に動作が付随する。
「翠葉はどうだった?」
「たぶん……大丈夫。古典に関しては過去問を全部暗記してきたから、さほど困らなかったし」
「私も、数学と化学、どっちも大丈夫そう」
 ひとり暗いのは飛鳥ちゃん。
 机に突っ伏し何を言うでもなく無言を貫いている。まるで魂が抜けてしまった人のように。
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