ホワイトタイガー
ファッション雑誌の整形を越えるメイク術の記事を読みながらも、気になるのはこの後どうなるのかということ。

この子達はホワイトタイガーさんの何に当たるのか、そして私はこの女の子達の中の1人なんだろうか。

こんな人数がいて派閥はないのだろうか。新入りの私に対して先輩風どころか、まるで無風だ。感心すらないのか。


定期的にページをめくりながら空気の変化を読み取ろうと念力を出してはいるが、誰も一言も発しないし、こちらを見ている気配もしない。

部屋に入った瞬間にふと浮かんだ夜になると大乱交パーティーという映像も、この空気だと始まるとも思えない。

というのも、そういう雰囲気の方がまだわかりやすい。突飛ではあるが、まだ自分の想像の範囲ではあるし、延長線上にある。

よくわからないというのは、こんなにもおそろしいのか。

それでも冷静とか普通を意識しながらダイエットの記事を興味があるそぶりで読むふける。痩せる記事を読みながらも、なんとか状況に納得させようと思考は巡る。

ホワイトタイガーさんを神と見立てた団体の可能性。

これもなさそう。

今、この空間はついたてのない漫画喫茶のようであり、ホワイトタイガーさんですら漫画喫茶の客の1人でしかなかったからだ。

唯一感情が読み取れたのが犬二匹。

でも、考えようによっちゃ、色々話しかけられたり、それに受け答えしたり、レッテルを貼られたり貼ったり、気を遣ったり使わせたり、あわせたり、あわせられたりといった、そんなことを“しなくちゃいけない”というよりは何百倍もマシ。

居心地が、いいちゃ。

いい。
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