総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
ヤミが顔を上げるのとほぼ同時に、振り下ろされるシンの腕。


あたしが、もっと周りが見えていたならこんな事にはならなかったのに!


――――ドガっ


耳に聞こえたのは、何かが潰れたような醜い音。


けれど、あたしたちに痛みはなかった。


「総‥‥長。」


耳元では、ヤミの間の抜けたような声が通り過ぎて行く。


あたしが目にしたのは、唇から血を流しながら砂埃と共に地に崩れ落ちていくシンの姿。


そして、蹴り上げることに使った足を静かに下ろしながらこちらを横目で見るヒサ。


「わりぃ。先手、打っちまったわ。」


何の悪びれもなく、シンを蔑む様な目で見下ろすヒサ。


そして、まるでそれが合図と言わんばかりに外から爆音とともに倉庫内に響き始めた轟音。


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