総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
あんなに、両親のことが大好きだったレナが悲しんでいないはずがない。


きっとどこかで、一人で泣いている。


そう、思っていた。


だけど、俺の考えは甘かった。


「それがねーレナちゃん。お母さんとお父さんが殺されてるところを見ちゃったみたいでねー。精神が不安定でどうとか‥‥それで今、近くの病院にいるらしいのよー」


見た‥‥?


自分の大好きな両親が殺されるところを見たっていうのか‥‥!?


「おい、シン‥‥レナやばいんじゃ‥‥‥」


俺が言う頃にはもうシンは俺の隣にはいなかった。


「シンっ!」


「近くの病院片っ端から探すぞっ!」


< 310 / 373 >

この作品をシェア

pagetop