総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
俺はそのとき、初めて自分が犯した罪の大きさを知った。


「あ、あぁ‥‥‥‥‥」


頭を抱えて、真っ白なフローリングを視界いっぱいに入れる。


きっと、今のレナは俺の言った嘘と、本当の記憶が混ざってその記憶を信じている。


違うんだ、本当は‥‥本当は。


「ど、どうしたのお兄ちゃんっ!?」


いきなり、頭を抱え込んだ俺に対して不安を見せるレナ。


「大丈夫‥‥俺はずっとそばにいるから‥‥」


そう言って、レナを包み込むようにして抱きしめた。


その瞬間、今までのレナへの思いがまた溢れ出てくる。


細い体、男の俺が強く抱きしめたら折れるんじゃないかと思うくらいにしなやかな腰。


頬を撫でる髪はさらさらで、こんなにもツヤのある髪を俺は見たことがない。


< 318 / 373 >

この作品をシェア

pagetop