もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
「なんでって……、優衣のまわりにはいつでも友達が居て、自分のことよりも大切に思い合える瑞希が居て、あたたかい家庭があって……」


「………………」


「いつも幸せそうに笑ってる優衣が、すごーく鬱陶しかったから!」


「何、それっ!?」


「何か1つくらい……、1つくらい譲ってくれたっていいんじゃないかって思ってた。だから、大谷とうまくいってる振りして優衣を試してた。自分でも嫌になるくらい優衣に嫉妬して……、私って、ほんとっ、最低!」


「沙也香……」


電話の向こうで、沙也香が泣いている。


「……そっかぁ。きっと私も、沙也香に嫌な思いさせてたんだね」


「違うの! 私、どうかしてたっ。自分で自分を苦しめてたの。それなのに……、優衣、ごめんね。私、強くなるから!」


沙也香の痛みが、優衣の胸にも伝わってくる……。


「私も! 私も、もっと強くなる。だから、もう元通りねっ。明日からは前みたいに一緒に居よーっ」


「こんな私なのに、いいの?」


「いいに決まってんじゃん」


「優衣っ」


沙也香の声が明るくなった。
< 329 / 358 >

この作品をシェア

pagetop