銀棺の一角獣
「あなたたちは?」

「わたしたちは後でいただきますので」


 セサルとミラールがまず野営に立つ。ルドヴィクとマドレルはアルティナの側に控えていた。


「時間がもったいないわ。一緒にいただきましょう。警戒するのは――必要なのよね?」


 追われているであろうことを考えれば、見張りは必要だ。


「では、ルドヴィクとマドレル。あなたたちはわたしと一緒に食事をすませてしまいましょう。それからセサルとミラールと交代して」


 女王と一緒に食事など恐れ多いと二人は固辞したのだけれど――今は緊急事態だからと言うアルティナの言葉には逆らえなかった。

 大急ぎで食事を終え、明日以降に備える。アルティナは騎士たちがたててくれたテントに潜り込むと、夢も見ずにぐっすりと眠った。
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