銀棺の一角獣
「リンドロウムの森のやつらの手を借りたんだ。人間にはできない細工だろう」


 と、彼は鼻の穴を膨らませた。


「――なんと、これは――」


 受け取ったルドヴィクは、あまりの美しさに言葉を失う。アルティナもそれをじっと見つめていた。


「これは後ほど、宴の席で皆にも披露しましょう――アルティナ様、それでよろしいですか?」

「ええ、いいわ。本当に――こんな日が来るなんて思っても見なかった」


 白の花嫁衣装に身を包んだアルティナは、ルドヴィクに向かって手を差し出す。今まで何度もそうしてきたように。


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