銀棺の一角獣
 ライオールと初めて会ったのは、十五になってすぐだった。

 酔って具合が悪くなった彼に「看病に来た娘を好きにしていい」と父が耳打ちしたのを知ったのは、ライオールと関係を持つようになって半年ほどだった頃だろうか。

 娘の代償として、父は宮中において好待遇を受けるようになったようだ。アシュリーによる王子へのとりもちを期待して、父に寄せられる賄賂もずいぶん増えた。

 最初の夜は怖かった。看病するだけのつもりだったのに、いきなり乱暴に引き寄せられ、着ている物を剥ぎ取られたのだから。自分の身に起きた出来事に呆然としていると、相手は慌てたように声を上げた。


「大丈夫か――おい、そんなに泣くほどいや――ってお前、初めてじゃないか!」


 それは見当違いな優しさだった。

 痛いからでもなく、知らない男に無理矢理身体を開かれたからでもなく、父に売り渡されたのだと思い知らされてしまった涙だったから。それでも、少し乱暴な手つきで涙を拭ってくれる手が心地よかった。
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