銀棺の一角獣
「アルティナ――、大丈夫?」
部屋の外から激しく扉を叩く物音に、アルティナはのろのろと目を開けた。
「食事をとっていないのだろう? なぜ、わたしに連絡をよこさなかった!」
キーランが激しい声を上げる。それからアルティナを毛布でくるみこむと一気に抱き上げた。
「医者を呼べ! 何をしている。ぐずぐずするな!」
そうやって指示を出すキーランは、父の前にいる時とは別人のようだった。
アルティナを抱えたまま足早に廊下を進む。
「……遅くなってごめん」
頭から毛布をかぶせられているアルティナにだけ聞こえるような声で、キーランはささやく。
「父上に頼み込んで、君の様子を見に行くまでずいぶんかかってしまった」
「……大丈夫です」
アルティナもささやき返した。
部屋の外から激しく扉を叩く物音に、アルティナはのろのろと目を開けた。
「食事をとっていないのだろう? なぜ、わたしに連絡をよこさなかった!」
キーランが激しい声を上げる。それからアルティナを毛布でくるみこむと一気に抱き上げた。
「医者を呼べ! 何をしている。ぐずぐずするな!」
そうやって指示を出すキーランは、父の前にいる時とは別人のようだった。
アルティナを抱えたまま足早に廊下を進む。
「……遅くなってごめん」
頭から毛布をかぶせられているアルティナにだけ聞こえるような声で、キーランはささやく。
「父上に頼み込んで、君の様子を見に行くまでずいぶんかかってしまった」
「……大丈夫です」
アルティナもささやき返した。