サファイヤアンドロイドの夢
普通なら、そんなところに靴が揃えられているとは誰も思わず、衣服と同じように脱ぎ捨てられているであろう靴を一生懸命探さなくてはならないのではないだろうか。

ああ。
そうだ。
なぜ、私がいつもあっさりと靴の在り処を見つけたか、それは。

Mr.Dがいつもそうしていたからだ。
部屋で本を読むとき、ディスクの映像を見るとき、
彼はいつもソファではなく、仕事用のコンピュータデスクに陣取り、靴を脱いで、頬杖をつきながらそれらを楽しむのだ。
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