サファイヤアンドロイドの夢

「わかった。すぐ行く。」


ロディア補佐官は、男に深々と頭を下げてからパニックが収まらない広場へと戻って行く。


「とにかく、この騒ぎを収めるのが先だ。」


「わかってるよ。あいつの演説は何度もディスクで見たからな。おんなじような事、言っとけばいいんだろ？」


男は私より先に立ち、意気揚々とバルコニーへと向かう。
男がバルコニーに姿を現した途端、群衆から歓声が上がった。

手を振りながら、男はマイクの前に行き、
演説を始める。
男の意思とは関係なく、明らかにＭｒ．Ｄの復活への第一歩だった。
取り返しがつかない。
気まぐれでも遊びでも、もう、取り返しがつかないのだ。