サファイヤアンドロイドの夢
暗澹たる気持ちでその光景を眺めている私に連絡が入っているとレイド補佐官が呼びに来た。
連絡は、基地に残っている部下からで、部屋に閉じ込めておいたライラが窓から抜け出し、行方不明だと言う報告だった。
ライラの性格からしてそれくらいの無茶は考えられない事ではなかった。だから見張りをつけておいたのに。

私は部下を叱責すると、そのまま本部に向かえと命令した。
ライラは必ず、本部に向かう道のりのどこかにいるはずだから、と。

彼女はセクサロイドだ。
本部へは砂漠を一つ越えなければならない。
肉体関係を有意義に保つためだけに開発された彼女の華奢なボディでは、本部までたどり着けないだろう。
その前に見つけてやらなくては。

私は男を連れて、早々に基地に引き返した。
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