サファイヤアンドロイドの夢
再生
白い部屋だ。
眩しいほどに清潔な純白の壁、床、天井。

ドアは固く閉ざされている。

スチールの椅子と、机と、少年が一人。
少年は椅子に腰かけ、一心に机の上の透明なガラスのコップを見つめている。
少年は15、6歳くらいに見えた。
まだ幼さが残る体の少年を年かさに見せているのは彼の目だ。
一心にコップを見つめる少年の目に、子供特有の可愛らしさは感じられない。
そうして唇に浮かぶ高慢な笑み。
少年は、薄笑いを浮かべた唇で小さく繰り返している。


割れろ!割れろ!砕け散れ!!
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