サファイヤアンドロイドの夢
一瞬、机の真上にある電灯が揺らいだ。
本当に一瞬だ。
その瞬間にガラスのコップは、パンと音を立てて砕け散り、無数の小さな破片となった。


「よくやった。」


そう言いながらドアを開け、男が入ってくる。その後ろに男と女が続く。皆一様に白衣を着ている。


「素晴らしい。サイコキネシスを目の前で見るのは初めてだ。」


後から入ってきた恰幅のいい年配の男が感嘆の声を上げ、少年に近づいた。
少年は例の子供らしからぬ笑みを浮かべたまま、右手を差し出した。
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