サファイヤアンドロイドの夢
「ジェイル。」


不意に男が私の腕を掴んだ。ざわざわと身の毛がよだつ感覚が全身を襲っていた。逆流を始めた感情が出口を求めて私の体の中で畝っている。


「落ち着け、ジェイル。俺は裏切らない。俺はそばにいる。俺は、あいつとは違う。」


私の体の中の畝りを、男は、私を抱締める事で私の中にとどめようとする。それでも、抑え切れない感情が、男の頬を、腕を切る。

「俺を信じろ、ジェイル。二人で最初からやりなおそう。俺達なら出来る。あいつらを見返してやろう、俺を信じろ、ジェイル!」
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