サファイヤアンドロイドの夢
私が呆然と映像を見ていると、いきなり画面が切り替わった。
緊急ニュースだ。
画面は、街の上からヘリコプターで撮影されている。


「アンドロイドです!アンドロイドの群れが閉鎖されていた製造工場を襲っています!大変な数です!」


ヘリコプターの爆音と共に、レポーターが力いっぱい叫ぶ声が聞こえる。製造工場にアンドロイドが雪崩れ込むように入って行く。落ちるのは時間の問題だ。画面が、工場正面に切り替わる。アンドロイド達は、長い間止められていた工場を再び動かし、ストックされていた部品を次々と運び出している。先頭を切り、指示を与えているのはあの男だった。男は、あの時叫んだ言葉をそのまま実行しているのだ。
男の頬には、私がつけた傷がまだ残っている。人間共も反撃しているが、このパニックに警察は相当数がシャトルステーションに割かれているらしく、物の数ではない。
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