パーフェクトティーチャー
パトロール中の警官隊が複数で止めに入るまで、氷室の凄惨な攻撃はやまなかった。


赤く染まったアスファルト。


その上で金髪と坊主が白目をむき、泡を吹いている。


やがてパトカーと救急車がやってくると、大勢の警官が氷室を取り囲んでいた。


「暴力行為で現行犯逮捕する」


氷室の長く細い腕。


そこに手錠がかかる。


その瞬間がほたるにはスローモーションに見えて仕方なかった。


赤色灯が作る世界にはちっとも現実感が湧かない。


悪い夢を見てるんだろうか・・・。


しかし、
「ほたる、大丈夫!?」と絶叫し、後ろから抱きしめる母の温もりを感じたとき、一気に我に返った。


窓越しにパトカーの中の氷室と目が合う。


ほたるは氷室の早口を読み取った。


「ボクのことは心配しなくていい。
キミが無事ならボクはそれで十分なんだ・・・」


それから先は涙で霞んでうまく見えなかった。



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