百鬼夜行の主
幽side
私は自分の状況がどんな風になっているのか理解できなかった。
何故私は鬼灯に手を引かれているんだ…!?
心臓が痛いぐらい自己主張を繰り返す。顔は鏡を見なくても分かるぐらい真っ赤になっていた。
絶対今の状況は可笑しい。これはまるでデートじゃないか!?
私は顔を真っ赤に染めたまま、悶々と悩み始めた。
「主様、何に乗ります?」
突然、頭上から鬼灯の声が聞こえる。鬼灯がどこから持ってきたのか、遊園地のパンフレットを片手に私に尋ねた。私は顔を見られないようにパンフレットに目を落とした。
私は悩むふりをしながら、ちらっと鬼灯の顔を見た。鬼灯はいつも通り冷静な顔をしている。
さっき一瞬だったが顔が赤く見えたのは気のせいだったのだろうか?
私は頭の片隅にそんなことを考えながら、パンフレットを見ていた。
「そうだな……とりあえず、ジェットコースターに乗るか」
私は顔の赤さを悟られないように、満面の笑みを浮かべながら鬼灯と共に歩きだした。