百鬼夜行の主


―屋上


「天気いいですね、五十嵐さん」


「そうだね」


鬼灯との何気ない会話に私は空を見上げた。


空は快晴。梅雨では珍しいからっとした空気で過ごしやすい天候だ。


「幽ちゃん、卵焼きください!」


「はいはい」


私が雪羅の弁当箱のふたに卵焼きを乗せる。


「幽ちゃん、またニンジン残してます!」


「いいじゃんニンジンくらい…」


「だめです!食べないと女の子らしくなれませんよ!」


「関係ないでしょ!!」


「あります、ニンジンは女の子らしい赤だから食べれば女の子らしくなれますよ!」


「どんな理屈だよ!!」


「理屈じゃありません!」


屋上に私と雪羅の口論が響き渡った。



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