『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
私の学部の3年生は後期になると、専攻課程別に実習がある。
一応私は“中学校英語教諭”を志望していて、
中学英語を中心に実習予定を作成している。
後期の目標として提出予定なので、
実習先を確定しないと予定の目途もつかない状態。
先日、母校の中学への実習許可は頂いたんだけど、
第2実習を何処にするかで悩んでいる。
私立中学?……それとも高校?
悩みだすと止まらない。
中学英語の教科書をパラパラ捲っていると、
♪ ~ ♪ ~ ♪ ~
軽やかなメロディーの内線が鳴った。
「はい」
「あっ、帰ってたの?ごめん葵ちゃん、悪いんだけどコーヒー4つお願い出来る?」
「あっ、はい!!すぐお持ちします」
「ありがとう♪」
楓さんからの依頼を受け、キッチンへ。
自分の分も合わせて5人分のコーヒーを。
淹れたコーヒーを持って2階のアトリエへ。
アシスタントさんに手渡し再びリビングで予定表と睨めっこ。