『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


私の学部の3年生は後期になると、専攻課程別に実習がある。


一応私は“中学校英語教諭”を志望していて、

中学英語を中心に実習予定を作成している。


後期の目標として提出予定なので、

実習先を確定しないと予定の目途もつかない状態。



先日、母校の中学への実習許可は頂いたんだけど、

第2実習を何処にするかで悩んでいる。


私立中学?……それとも高校?

悩みだすと止まらない。



中学英語の教科書をパラパラ捲っていると、


 ♪ ~ ♪ ~ ♪ ~


軽やかなメロディーの内線が鳴った。



「はい」

「あっ、帰ってたの?ごめん葵ちゃん、悪いんだけどコーヒー4つお願い出来る?」

「あっ、はい!!すぐお持ちします」

「ありがとう♪」


楓さんからの依頼を受け、キッチンへ。

自分の分も合わせて5人分のコーヒーを。


淹れたコーヒーを持って2階のアトリエへ。

アシスタントさんに手渡し再びリビングで予定表と睨めっこ。




< 109 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop