レベッカ



それは、肯定の答えだった。

つまりマルクは、エドがロイを使ってアレンを殺そうとしていると、だからロイはこの場で消えてもらった方がいいと、そういうことを言っているのだ。

そして、笑った形のままの唇を開けて、さらに恐ろしいことを、口にした。


「君は、暴れ狂う犬の群れから、中心にいる人間の脚だけを撃たずに避けるなんてこと、できるか?」


アレンは、半ば呆然としたまま、首を左右に振った。


「できるか? できやしないだろう!」


マルクは興奮気味の顔と声で、もう一度言った。

アレンは頷く。

すると、マルクは心から満足そうな表情を浮かべた。


「君の地位は約束しよう!!」


高らかに言い放ったその言葉を聞いて、アレンは、疲れ切った体を持ち上げ、廃ビルを飛び出していった。



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