Level.0
私は黙ってモニターを見つめる。
「Level.1と0はどっちが上だ?」
「0です…」
「ご名答。そして、君が話してた彼女もLevel.0だ。知ってるかもしれないけど」
「しかし…」
「言い訳は無用。上の者に手を出して、裏切り者呼ばわり。これは廃棄にあたりますよ。ねえ、ハルカさん?」
男の顔が歪み、キングの顔が勝ち誇った表情をする。
そしてモニター越しでもわかるくらい、男はこちらを見つめていた。
「キングの仰せのままに」
そのまま頭を深く下げる。
YesともNoとも言わないのが、キングのご機嫌を取れる。
うまく言葉を紡ぐことには慣れているから。

