砂漠の水車
アルファは今回、ペナルティが抜けきれないヒツギのお目付け役といったところか。
「そういうわけですから、手より先に頭を働かせるように」
「てめっ、黙って聞いてりゃ偉そうなことをっ」
「だって偉いもん」
副隊長だからね。
「…誰が、いつ、黙って聞いていた」
「うっせーんだよ根暗野郎ゴルァ!」
「…根暗は、余計だ」
常ながら、二名の間に火花が飛んだ。
仲がいいのか悪いのか、仕事で召集される度に一緒にいる光景が目撃されるが、仲良くキャッキャウフフしてる場面は見たことがない。
アルファはため息ひとつ落とすと、その間に割って入った。
「まあまあ。
とにかく行きますよ、グレンはそれで大丈夫ですね?」
「…問題ない」
けっ、と毒を吐くヒツギを無視して、グレンは早速左手から回ることにする。
彼の習慣で、顔の鼻から下は闇色のマスクで覆われる。
西洋風忍者…みたいな格好である。