砂漠の水車


「ちょっと待って」



アルファが唐突に立ち止った。


振り返れば、壁に右手をついてじっと煉瓦の細やかな肌を見詰めている。



「ちょっと、ランプ貸して下さい」


「おう」



ヒツギに手渡されたランプで煉瓦の一つを照らすと、何やら文字めいた形の羅列がぼんやり浮かびあがってきた。


しかし、アルファベットの類とは違うようだ。



「なんだこれ、なんて書いてあんだ?」


「この地方の言語でしょうか…僕の頭では翻訳は無理ですね、でも…」



アルファは刻まれた文字を人差し指の腹でなぞっていく。


意外に彫りは深く、呪うように冷たい感覚が体中を這いまわる。




「『果て』」


「あ?」


「こりゃーいろんな言語が混じっていますねえ、あ、英語も交ってる」




なぞる指が下にいくにつれて見慣れた文字も出てくるようになった。


文脈や文法はどうなってるんだ。




< 77 / 77 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ある賢者の独白

総文字数/2,799

その他1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
残酷で皮肉で滑稽な事実ながら 無償の愛こそ 人間だと思うのです
彼女がゲイを自称する件

総文字数/2,319

恋愛(ラブコメ)10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
※BLではございません 高校二年生の夏 勇気を出して、なんて 月並みな表現は使いたくないけれど 割りと真面目に覚悟を決めて 好きなひとに告白した ひとつ年下の後輩 小柄な背丈を震わせ 上目遣いの大きな瞳を潤ませて 彼女は言った 「まっ、マジすか!? おれっ、こ、こんなちんちくりんで色気も経験もなくてご奉仕もまともにしたことないヘタレなクソゲイ野郎ですけどそれでもよければおおおおなしゃす!」 「…………うん?」 ※Not 腐女子 But ゲイ
暇を持て余した諸々のあそび

総文字数/18,200

その他20ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
コメディタッチのSS(というより会話文)を書き連ねていく筆者のただの遊び駄文集。 完結なんて見えないぜ。 ほとんどコメディですがちょいちょいシリアスも入ります

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop