アカイトリ
痛い…
痛い…身体が、全てが痛い…
――天花はこの三日間、一睡もできずに三日目を迎えた。
代償はあまりにも大きすぎたが、これで苦痛から解放される。
夜が来て人の姿になり、天花はよろよろと立ち上がって障子を開ける。
すると部屋の前に颯太が座っていた。
庭園を眺めつつ、豚の形をした入れ物に蚊取り線香を入れ、手には団扇。
「ああ、起きたか天花」
やわらかい声に、少し苦痛が和らいだ。
ずくんと痛みに沈む胸を押さえながら隣に座ると、何も言わずに自らの膝を叩いて『ここに座れ』と促す。
颯太に触れていると、苦痛がずっと楽になる。
ここ二晩は、最終的な営みは持たなくとも、それを一緒に寝てくれてやり過ごしてくれた。
「まだ痛むか?」
大人しく横向きに膝に抱かれ、全身を颯太の胸に預けた。
心地よい、心臓の音。
「凪が今日も来たぞ。三日間連続だ。俺はおかしなものに好かれる性質らしい」
くすくす笑いつつ、ぎゅうっと両腕で抱きしめてくる。
また少し、苦痛が和らいだ。
ここずっと痛みと戦いつつも頭から離れない疑問を口にした。
「本当にお前は…死んでしまうのか?」
ふっと颯太がはにかんだ。
「では逆に問うが…天花、お前は契約通りに凪と共に行ってしまうのか?俺が死んだ後に」
――寂寥感が胸を満たす。
聞かなければ、よかった、と思った。
「…契約は、契約だ」
「そうだな…。つまらないことを聞いた。忘れてくれ」
唇で頬に触れてくる。
舌が、優しく這う。
逝ってほしくない。
一緒に連れて逝ってほしい。
だが呪縛から逃れる術を見出だせない…
――途方に暮れた表情を浮かべた天花を颯太はさらに深く抱きしめた。
「…大切にしてもらうんだぞ」
違う意味で、胸がえぐられたように痛んだ。
「…今夜、一緒に寝てくれないか?痛みから逃れたい」
そう懇願すると、颯太は破顔しつつ瞳を和らげて額を額に軽くぶつけてきた。
「酷なことを言うな。任せろ、抱き枕くらいお安い御用だ」
この腕に抱かれるのは、あと何回残されているのだろうか…?
天花は颯太に小さく口づけをした。
痛い…身体が、全てが痛い…
――天花はこの三日間、一睡もできずに三日目を迎えた。
代償はあまりにも大きすぎたが、これで苦痛から解放される。
夜が来て人の姿になり、天花はよろよろと立ち上がって障子を開ける。
すると部屋の前に颯太が座っていた。
庭園を眺めつつ、豚の形をした入れ物に蚊取り線香を入れ、手には団扇。
「ああ、起きたか天花」
やわらかい声に、少し苦痛が和らいだ。
ずくんと痛みに沈む胸を押さえながら隣に座ると、何も言わずに自らの膝を叩いて『ここに座れ』と促す。
颯太に触れていると、苦痛がずっと楽になる。
ここ二晩は、最終的な営みは持たなくとも、それを一緒に寝てくれてやり過ごしてくれた。
「まだ痛むか?」
大人しく横向きに膝に抱かれ、全身を颯太の胸に預けた。
心地よい、心臓の音。
「凪が今日も来たぞ。三日間連続だ。俺はおかしなものに好かれる性質らしい」
くすくす笑いつつ、ぎゅうっと両腕で抱きしめてくる。
また少し、苦痛が和らいだ。
ここずっと痛みと戦いつつも頭から離れない疑問を口にした。
「本当にお前は…死んでしまうのか?」
ふっと颯太がはにかんだ。
「では逆に問うが…天花、お前は契約通りに凪と共に行ってしまうのか?俺が死んだ後に」
――寂寥感が胸を満たす。
聞かなければ、よかった、と思った。
「…契約は、契約だ」
「そうだな…。つまらないことを聞いた。忘れてくれ」
唇で頬に触れてくる。
舌が、優しく這う。
逝ってほしくない。
一緒に連れて逝ってほしい。
だが呪縛から逃れる術を見出だせない…
――途方に暮れた表情を浮かべた天花を颯太はさらに深く抱きしめた。
「…大切にしてもらうんだぞ」
違う意味で、胸がえぐられたように痛んだ。
「…今夜、一緒に寝てくれないか?痛みから逃れたい」
そう懇願すると、颯太は破顔しつつ瞳を和らげて額を額に軽くぶつけてきた。
「酷なことを言うな。任せろ、抱き枕くらいお安い御用だ」
この腕に抱かれるのは、あと何回残されているのだろうか…?
天花は颯太に小さく口づけをした。