アカイトリ
天花がひらりと屋根から飛び降り、颯太の傍らに立った。
が、肝心の本人は肩を竦めて笑っていた。
「おい、多勢に無勢だな。俺一人で大丈夫だ」
「ですが…」
言い淀んだ楓の肩を叩いて颯太は再び伊織と対峙した。
「その腹の痣はまだ広がり続けているのか?」
「ええ。死ぬほど痛いですよ。じゃあ、死んでくださいねっ」
火花を散らせて襲いかかってきた伊織の剣は、不気味なほどに細く、折れそうだ。
「あ、これ?これは僕が作ったんですよ。人を傷つけることもできるけど、神の鳥には絶大に効くんですよ」
――あれに触れるわけにはいかない。
全神経を集中させてそれから視線を外さずに問い掛ける。
「逆に呼び掛けなければ、神は応えないということか?」
「そうなりますね。でも僕、痛いの嫌だし、早くあなたを殺して楽になりたいんですよ」
うすら寒い台詞を吐きつつも死角ばかりを的確に狙ってくる伊織。
だが颯太が手を止めた。
何事かと思い、伊織も手を止めた。
颯太は伊織に笑いかけた。
「やっぱりやめた。伊織、戦うのは止そう。他にきっと道がある」
剣を鞘に収めると、伊織を含め、皆が唖然とした。
「馬鹿な!颯太!剣を構えろ!お前…死ぬ気か!?」
悲痛に叫ぶ凪の声もむなしく、はっと我に返った伊織が剣を構えて襲い掛かってきた。
天花も凪も、いざという時のために体内に眠る暴力的な力を溜め込んだ時――
伊織が颯太を羽交い締めにし、後ろ首に神の剣を突き付けた。
首筋にほんのわずかに触れただけ…
なのに、はらりと颯太のやや長めな後ろ髪が切られて地面に落ちた。
「だから…僕には時間がないって言ってるじゃないですか」
だが颯太の微笑は崩れない。
「大丈夫だ。俺にも時間はない。だが、探してみないか?共に」
「延命の法を探しているんですか?だとしたらそれは…」
「俺は延命など望んではいない。望むのは彼ら神の鳥たちが、神の呪詛から解放される方法のみだ」
――その場に居た伊織以外の全員が、激しく斬りつけられたかのように顔をしかめた。
「……一先ず、戦うのは止します。あなたの話を聞かせてください」
が、肝心の本人は肩を竦めて笑っていた。
「おい、多勢に無勢だな。俺一人で大丈夫だ」
「ですが…」
言い淀んだ楓の肩を叩いて颯太は再び伊織と対峙した。
「その腹の痣はまだ広がり続けているのか?」
「ええ。死ぬほど痛いですよ。じゃあ、死んでくださいねっ」
火花を散らせて襲いかかってきた伊織の剣は、不気味なほどに細く、折れそうだ。
「あ、これ?これは僕が作ったんですよ。人を傷つけることもできるけど、神の鳥には絶大に効くんですよ」
――あれに触れるわけにはいかない。
全神経を集中させてそれから視線を外さずに問い掛ける。
「逆に呼び掛けなければ、神は応えないということか?」
「そうなりますね。でも僕、痛いの嫌だし、早くあなたを殺して楽になりたいんですよ」
うすら寒い台詞を吐きつつも死角ばかりを的確に狙ってくる伊織。
だが颯太が手を止めた。
何事かと思い、伊織も手を止めた。
颯太は伊織に笑いかけた。
「やっぱりやめた。伊織、戦うのは止そう。他にきっと道がある」
剣を鞘に収めると、伊織を含め、皆が唖然とした。
「馬鹿な!颯太!剣を構えろ!お前…死ぬ気か!?」
悲痛に叫ぶ凪の声もむなしく、はっと我に返った伊織が剣を構えて襲い掛かってきた。
天花も凪も、いざという時のために体内に眠る暴力的な力を溜め込んだ時――
伊織が颯太を羽交い締めにし、後ろ首に神の剣を突き付けた。
首筋にほんのわずかに触れただけ…
なのに、はらりと颯太のやや長めな後ろ髪が切られて地面に落ちた。
「だから…僕には時間がないって言ってるじゃないですか」
だが颯太の微笑は崩れない。
「大丈夫だ。俺にも時間はない。だが、探してみないか?共に」
「延命の法を探しているんですか?だとしたらそれは…」
「俺は延命など望んではいない。望むのは彼ら神の鳥たちが、神の呪詛から解放される方法のみだ」
――その場に居た伊織以外の全員が、激しく斬りつけられたかのように顔をしかめた。
「……一先ず、戦うのは止します。あなたの話を聞かせてください」