アカイトリ
目が覚めてみると…天花が脱がされた着物の上で、男に組み敷かれているではないか。
激しく怒りを感じ、芹生は頭を強く振って意識を覚醒させると剣に手をかけた。
「お前っ、天花様に何してるんだ!!」
「?なんだお前は?…ああ、朱い鳥と一緒にいた奴だな。天花ね、ふーん、良い名だ」
全く気にもかけず、天花の白い裸体をまさぐる男の首にすらりと剣をつきつけた。
「天花様、今のうちに服を着て下さい、ここは俺が…」
涙に濡れた天花を見て心が痛む。
自分が居ながらどうしてこんなことに?
…その一瞬の隙をつかれ、手刀で芹生の手を強打し、剣を奪われ、間合いを取られた。
まだ呆然としている天花に着物をかけ、油断なく肌の浅黒い男に近づく。
「ここはどこだ?」
「碧青の近くさ。お前は天花の何だ?」
「気安く天花様の名を呼ぶな!この方は、俺の主の妻となる方だぞ!」
息巻いてさらに間合いを詰めると、一瞬の沈黙の後、黒い男が腹を抱えて爆笑した。
「正気か!?朱い鳥が、碧い鳥の末裔と夫婦に…?!あっははは!こりゃ面白い!」
…朱い鳥…?
碧い、鳥…?
何も事情を知らない芹生は、疑問で頭が一杯になりつつも柔術の構えを取る。
「言ってる意味がわかんないけど・・・お前は敵だ。敵顔だ!」
美貌ではあるが、邪悪な気配も感じる。
颯太とは正反対の器量の持ち主だ。
――黒い男は、ぽーんと太刀を投げては受け止め、手遊びしながら笑いを収めた。
「あの金の髪の男が碧の末裔だろ?本気でつがいになる気か?」
着物で身体を隠しつつ、ようやく天花がのろのろと顔を上げた。
「わたしは・・・」
わたしは…どうしたいんだろう?
「問答無用!俺はお前を倒す!」
言魂を放ち、精神を鼓舞させると、気合いの声と共に黒い男に襲い掛かった。
「犬死にする気か、それもいいだろう」
すらりと剣を抜く。
斬り結ぶ瞬間、天花と黒い男が顔を上げた。
芹生は立ち止まった。
あの、気持ち良い香りが近付いてくる。
天花はもう一度心の中でその名を叫んだ。
激しく怒りを感じ、芹生は頭を強く振って意識を覚醒させると剣に手をかけた。
「お前っ、天花様に何してるんだ!!」
「?なんだお前は?…ああ、朱い鳥と一緒にいた奴だな。天花ね、ふーん、良い名だ」
全く気にもかけず、天花の白い裸体をまさぐる男の首にすらりと剣をつきつけた。
「天花様、今のうちに服を着て下さい、ここは俺が…」
涙に濡れた天花を見て心が痛む。
自分が居ながらどうしてこんなことに?
…その一瞬の隙をつかれ、手刀で芹生の手を強打し、剣を奪われ、間合いを取られた。
まだ呆然としている天花に着物をかけ、油断なく肌の浅黒い男に近づく。
「ここはどこだ?」
「碧青の近くさ。お前は天花の何だ?」
「気安く天花様の名を呼ぶな!この方は、俺の主の妻となる方だぞ!」
息巻いてさらに間合いを詰めると、一瞬の沈黙の後、黒い男が腹を抱えて爆笑した。
「正気か!?朱い鳥が、碧い鳥の末裔と夫婦に…?!あっははは!こりゃ面白い!」
…朱い鳥…?
碧い、鳥…?
何も事情を知らない芹生は、疑問で頭が一杯になりつつも柔術の構えを取る。
「言ってる意味がわかんないけど・・・お前は敵だ。敵顔だ!」
美貌ではあるが、邪悪な気配も感じる。
颯太とは正反対の器量の持ち主だ。
――黒い男は、ぽーんと太刀を投げては受け止め、手遊びしながら笑いを収めた。
「あの金の髪の男が碧の末裔だろ?本気でつがいになる気か?」
着物で身体を隠しつつ、ようやく天花がのろのろと顔を上げた。
「わたしは・・・」
わたしは…どうしたいんだろう?
「問答無用!俺はお前を倒す!」
言魂を放ち、精神を鼓舞させると、気合いの声と共に黒い男に襲い掛かった。
「犬死にする気か、それもいいだろう」
すらりと剣を抜く。
斬り結ぶ瞬間、天花と黒い男が顔を上げた。
芹生は立ち止まった。
あの、気持ち良い香りが近付いてくる。
天花はもう一度心の中でその名を叫んだ。