アカイトリ
快感が苦痛を上回る。
越えてはならない一線がすぐそこに、ある――…
神に定められしつがいではない朱と碧。
だが凪は言った。
『俺は神など恐れない』と。
身体が著しく密着し、もう身体のどこにも、颯太が触れていない部分はない。
「神が…神が許しはしない、こんな…こんな…」
――また颯太の身体にも、天花の手が唇が、触れていない部分はどこにもない。
「天花…天花…!」
名をつけた人。
見たこともない楽園に咲く花のように美しい、という意味を込めてつけられた名前。
「神が…」
「例え許されなくとも、俺は今、お前を抱きたい…」
絡まる手足。
激しくなる息遣い。
誰が想像しただろうか。
独りから解放され、また誰かの腕に抱かれたいと思う日が来るとは。
「天花、お前に受け入れられたいんだ…」
さわさわと、胸に這う天花の白く細い指。
暴走する、心と身体。
心はとっくに颯太を受け入れている。
だが植え付けられた、人と神への呪詛が再び天花の脳裏をいっぱいにした。
「…駄目だっ」
どんと下から颯太の胸を両手で押し、天花は顔を覆って泣いた。
「許されない…こんなの、誰にも許されはしない…っ」
啜り泣く天花。
未だに癒されることのない、忘れることのできない呪詛。
「…天花…」
颯太に優しく抱きしめられた。
甘く爽やかな香りが天花を包み込む。
「すまなかった。俺がいけないんだ。お前には時間が必要なのに…」
「お前が嫌いなわけではないんだ。ただ…何も、誰にもこんなのは受け入れられない…」
――呪詛が天花を取り巻いて、離さない。
颯太は天花の額に口づけをした。
「待つ。俺が死ぬまでの間に、答えを聞かせてくれ。俺に愛される覚悟ができたら…俺の元を訪れてくれ…」
小さく天花は頷き、颯太の背中に腕を絡ませて抱きついた。
越えてはならない一線がすぐそこに、ある――…
神に定められしつがいではない朱と碧。
だが凪は言った。
『俺は神など恐れない』と。
身体が著しく密着し、もう身体のどこにも、颯太が触れていない部分はない。
「神が…神が許しはしない、こんな…こんな…」
――また颯太の身体にも、天花の手が唇が、触れていない部分はどこにもない。
「天花…天花…!」
名をつけた人。
見たこともない楽園に咲く花のように美しい、という意味を込めてつけられた名前。
「神が…」
「例え許されなくとも、俺は今、お前を抱きたい…」
絡まる手足。
激しくなる息遣い。
誰が想像しただろうか。
独りから解放され、また誰かの腕に抱かれたいと思う日が来るとは。
「天花、お前に受け入れられたいんだ…」
さわさわと、胸に這う天花の白く細い指。
暴走する、心と身体。
心はとっくに颯太を受け入れている。
だが植え付けられた、人と神への呪詛が再び天花の脳裏をいっぱいにした。
「…駄目だっ」
どんと下から颯太の胸を両手で押し、天花は顔を覆って泣いた。
「許されない…こんなの、誰にも許されはしない…っ」
啜り泣く天花。
未だに癒されることのない、忘れることのできない呪詛。
「…天花…」
颯太に優しく抱きしめられた。
甘く爽やかな香りが天花を包み込む。
「すまなかった。俺がいけないんだ。お前には時間が必要なのに…」
「お前が嫌いなわけではないんだ。ただ…何も、誰にもこんなのは受け入れられない…」
――呪詛が天花を取り巻いて、離さない。
颯太は天花の額に口づけをした。
「待つ。俺が死ぬまでの間に、答えを聞かせてくれ。俺に愛される覚悟ができたら…俺の元を訪れてくれ…」
小さく天花は頷き、颯太の背中に腕を絡ませて抱きついた。