もしも君が助けてくれたら
夏の鬱陶しい生温い風が体を包み込む。

こういうときは大抵体が風にたいして拒否反応を起こして鳥肌がたつ。

汗一つ出てこないのに体は生温い風に暑いと言っているようだった。

「体だるい・・・」

小さくため息をついて鞄を持ち直した。

体がだるい理由は生温い風の他にも昨日お父さんに蹴られたところが痛いとか、そういう理由もある。

しかも・・・。

「昨日よりも腫れてるし」

自分の頬に触れると、シップの冷たさがあった。

「奈々ちゃんたちに心配かけるかなぁ・・・」

もう一度小さくため息をついて正門を入り、靴箱で上靴に履きかえた時、

「あ」

という声がした。

振り返ると、まぁ、分かっていたけど、曉が立っていた。

「おはよう」

私が挨拶すると、曉もあくびをしながら返してくれた。

それから、チラッと私の頬をみて呟いた。

「昨日よりも腫れてんな」

私は苦笑を浮かべてうなずいた。

「ほんと最悪だよ」

そして、曉が何か言いたそうに口を動かした。

「どうしたの?」

じらすなよ!

って思ったけど、ここは敢えて冷静に。

「あー・・・、やっぱり何でもないわ」

怪しげな曉を私は少し一瞥して先に教室に入った。
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