Love again
うちらのチームのバスケの順番が回ってきた。


「明里!こっち!」

明里から、パスのボールが来るように手をあげた。


パスされたボールが、近づいてきた時、頭の中で、ザザザとアナログ放送で放送終了時に流れてるザーという雑音が流れた。


「あっ……」

明里からのパスは取れなくて、ラインの外に出た。


「ちひろ??」

同じチームの子達が、近づいてくる。


前にも一度、この感覚に陥ったことある。


なんでなんだろう?

どうして……

「大丈夫!ごめんね。先生、ちょっと……水飲んできます。」


先生に了解を得てから、他の子と交代して、体育館を出た。


すぐ近くの水のみ場で、水を一口ふくんでから、顔をあげた。


「……沢田くん?」

目の前に、沢田くんが立っていた。


「お前、なんも覚えてないんだな……」


「……えっ!どういう意味?」


言葉の意味がわからなかった。


「いや、なんでもない。」


そう言って、沢田くんは歩き出してしまった。

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