ともだちのつくりかた。
季節は過ぎ去り、冬も半ばに差し掛かっていた。

僕は穴を掘っていた。

一心不乱に、穴を掘っていた。

僕が埋まっていたと思しき場所を、ただひたすらに。

さすがにこの時期、外での作業は少々堪えた。

指先を吐息で温めながら、作業を続ける。



頭の中には、ただあの少女の姿があった。
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