シスター



どれくらいそうしてただろう。

気づけば太陽が沈もうとしている。

山の上だからだろうか、沈んで行く太陽のあまりの美しさに、まるで時間が、止まったような気分だ。

「せめて海でも見えたらなぁ」

沈み行く太陽、西にあるのは淋しい町並みだけ。

「仕方ないわよ。さ、帰ろ。暗くなったら危ないわ」

「うん。帰ったらお母さんに怒られちゃうかもね。引っ越しのお手伝いサボっちゃったもん」


この山に着いた時点でお昼を悠に越えてた。

もうすぐ春だと言っても暗くなるのも早い。

姉の後をトコトコと追いかける。

夕日に照らされた道が赤く染まって凄く綺麗。




新居に着くと…もう灯りが付いていた。

荷物は先に引っ越しの業者さんが届けてくれてるらしいからまだ荷物を解いてる最中なのだろうか?

いや、何だかいい匂いがしている。

「お母さんったら、もうご飯の準備なんかしてる。この匂いはカレーかな?お姉ちゃんもそう思うでしょ?」

「そうね」

玄関先には木製のテラス。
さっきは気づかなかったけど…
不気味なのを差し引けばなかなかお洒落な建て構えだ。

「晩ご飯はここで食べたいなぁ」

遊び足りないのか、新居に来て興奮してるのか
美佳子はテラス周りをキョロキョロと散策。

さすがにこの寒空の中、外で食事はきついだろう。

「ねぇ、美佳子」
「なぁに?お姉ちゃん」

「……………。」



「お姉ちゃん?」

テラスに夢中だった美佳子だが急に黙り込んだ姉を不審に思い振り返ると


「お姉ちゃん、遊び過ぎちゃって疲れたみたい。お父さんとお母さんに“ご飯はいらない”って伝えといてくれない?」

「え?お姉ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫よ。車に酔ったのもあるかな」

「じゃあ早く中に入ろ」


お姉ちゃん、酔ってたんだ。
それなのに、何か悪いことしちゃったな。
でも知らなかったな、お姉ちゃんって乗り物には強いと思ってた。




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