シスター
グツグツと煮立つ鍋からはカレーの匂い。
やっぱりカレーだった。
「この先に凄く綺麗な池があって、お姉ちゃんとずっと眺めてたの」
「あらそう。それで、恭子はどうしたの?」
「え?お姉ちゃんなら…」
ふっと振り返ると…
さっきまで一緒にいたはずの姉がいない。
お、姉ちゃん…?
あれ?さっきまで一緒だったのに…
一緒に家に入ったのに。
もう一度、父親と母親の方を振り返ると、2人も不思議そうな顔をしている。
「お姉ちゃん、疲れたみたいって言ってたから…トイレかな?」
さっきまで一緒だった姉が姿を消すなんて、有り得ないもの。
「だったら2階の寝室にいるんじゃないか?あいつの荷物は全部2階に運ぶようにって業者に伝えてあるし」
「そうね。きっと長旅で疲れちゃって眠ってるのよ」
そ、うなのかな?
でも…
「ほら、美佳子。いつまでも立ってないでこっちに来て座りなさい」
「うん」
確かに、気分が悪いって言ってたんだし、部屋で寝てるのかも。
うん、そうに決まってる。
けど、美佳子は少し気にかかってたのだ。
さっきの、姉を話をした時の父親と母親の表情が。
まるで自分に合わせてるかのような困惑した表情が。