終わらないエンドロール




気が付いたら、目の前は真っ白だった。
あ、あたし殺された、と舞子は思った。

首は動かなくて横も向けない。
手も足もまったく動かない。
周りに人がいるような気配もない。
静か過ぎて耳が痛くなる。

「......麻里乃、」

試しに呟いてみた。
声が上手く出ないけど、少しは出たはずだ。
誰かいたら聞こえているはずなのに、反応は一切ない。

「お願い、麻里乃。傍にいて」
「いるわよ、ここに」

次は隣から声が聞こえた。
良かった、いるじゃない、と舞子は安心した。

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