終わらないエンドロール

「体が動かないの、全然」
「あたしも。どうなってるんだろう」

ふわ、と鼻につくような少し不愉快な匂いがした。
消毒液の匂いに似ている。

ここは病院だろうか。
どうして病院にいるのか思い出せない。

診察が嫌で、逃げようとした。
確か診察室を飛び出した。

やっとの思いで外に飛び出ると、耳を裂くようなブレーキ音が右から聞こえた。

そして、右を向くと車が――。

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